カバーの国内リアルイベントをすべて担う「イベント企画チーム」が、hololive EXPOにかける思いとは。
こんにちは! カバー株式会社 人事広報担当の桑江です。
暑い日が続いていますが、みなさんお元気でしょうか? この夏はhololive5期生の4周年記念イベントや、全国6カ所で開催される「ホロライブシティ2024」など、夏の暑さを吹き飛ばすさまざまな催しが企画されています。
そんなイベントのなかでも、ファンの方が実際に会場に足を運び、タレントさんの存在を体感できるリアルイベントを取り仕切っているのがイベント企画チームです。彼らが手掛ける最大のイベントが、2022年から始まった『hololive SUPER EXPO』です。2024年も3月16〜17日の2日間にわたり幕張メッセで開催され、約3万人の方にご来場いただきました。なかには会場に足を運んだ読者の方もいらっしゃるかもしれません。
そんな最高潮のボルテージで盛り上がる楽しいイベントの裏で、イベント企画チームはどのような活躍を見せていたのでしょうか。イベント企画チームのYさん、Kさんのおふたりに、『hololive SUPER EXPO 2024』の裏話や仕事のやりがい、今後挑戦したいことを伺いました!
■ ホロライブのリアルイベントの運営を担うイベント企画チーム
―イベント企画チームについてお伺いする前に、まずはおふたりの自己紹介からお願いします。
Yさん:2022年にカバー株式会社に入社し、現在はマーケティング本部イベント企画チームのマネージャーを務めています。企画の立ち上げから各案件の進行調整、メンバーのマネジメントなどが主な業務内容です。
Kさん:私もマーケティング本部イベント企画チームに所属し、ちょうど先日入社1年目を迎えました。チーム内では主に、他部署からの依頼に基づくイベントや、当チーム主催のイベント制作に携わりつつ、進行管理を担っています。
―Yさんに伺いますが、イベント企画チームとはカバー株式会社のなかでどのような業務ミッションを負っているチームなのか教えてください。
Yさん:オフラインイベントをメインに、自社IPを使った興行イベントの企画・制作を行っているチームです。自社IPと言っても「ホロライブプロダクションの所属タレント」にフォーカスをあてたイベントの企画・制作を行っています。
―企画・制作するのは国内イベントが対象ですか?
Yさん:基本的には国内のファンに向けたイベントがメインです。実施している中で最大規模のイベントはhololive SUPER EXPOですが、他にもコミックマーケットや京まふなどの出展系イベントもありますし、タレント個人やユニットごとのファンミーティングなども企画します。
また、イベント企画チームだけでイベントが開催できるわけではありませんので、関係各所との様々な調整は欠かせません。
グッズ制作を担うMD部、告知展開を担うPRチーム、配信関連のプロジェクトを担う運営企画本部などをはじめ、横軸の連携は必須です。
―事業上のKPIとして掲げている目標があれば教えてください。
Yさん:入社当初はコロナの影響もあって「新規ファンの獲得」「既存ファンに対する価値向上/エンゲージメント向上」のようなシンプル目標を掲げていましたが、コロナ禍が明けてリアルイベント熱が戻ってきてからは「海外ファンへのアプローチ」「グッズだけに頼らない売上構造の構築」なども重要指標に入ってくるようになりました。
■ コロナ禍でイベントが制限されるなか、あえてイベント企画チームに転職した理由
―ありがとうございます。YさんもKさんもコロナ禍でイベント開催に制限がかかるなか入社されたということで、その理由や思いをお聞かせいただきたいのですがいかがでしょう?
Kさん:前々職はライブ配信の事業会社、前職はBtoB企業のマーケティング部でリード獲得やイベント施策に従事していて、もともとイベント分野で仕事をしていたんです。
入社した2023年はイベントが少しずつ復活しつつある時で、「どうせなら自分の好きな分野のイベント、大きいイベントに携わりたい」と思って入社しました。ちょうどVtuberに興味を持ち始めた時期でもあり、IP系のイベントも経験したいと思っていたので、いいきっかけになると考えました。
―ありがとうございます。Yさんはいかがですか?
Yさん:私もKさんと同じくイベント業界出身です。前職ではコロナ渦に入ってリアルイベントが全くできなくなり、全然違う業務に従事していたのですが、2021年ごろからリアルイベント実施の兆しが見え始め「改めてリアルイベントをやりたい」という思いから転職活動に踏み切りました。
転職エージェントを通じてカバーと出会い、正直にいうと当時はVTuberについての知識を全く持ち合わせていなかったのですが、有難いことに経歴を評価していただき内定をいただいたんです。
私はこれまでアニメ、マンガ、ゲームなどのイベントを実施してきましたが、新しいコンテンツに踏み込んでみたい思いもあって、勢いのあるVTuberに興味を感じて入社を決意しました。
■ hololive SUPER EXPO 2024で実施した初の取り組み
―おふたりとも「イベントをやりたい」という思いで入社されたんですね。2024年はほぼコロナ禍前と同じ状況が戻ったとのことですが、hololive SUPER EXPO 2024でも熱量を感じましたか?
Yさん:2023年、2024年と2回経験しましたが、2024年はコロナ禍の制限解除もあってファンの耐え忍んできた想いが一気に爆発したような勢いを感じました。海外からのファンも含めて、本当にたくさんの方にご来場いただけましたね。
―hololive SUPER EXPO 2024の概要について、来場者数や売上など数値での規模感を教えてください。
Yさん:タレントさんは多数在籍していますが、ホロライブプロダクションという1つのIP主催のイベントで見ると国内最大級だと思います。EXPOだけでも今年は国内外から約3万人の方にご来場いただきました。来場チケットやグッズの売上も、本当にありがたいことに過去最大の結果を出す事ができています。
―大規模ですね。これは当然、イベント企画チーム全体が一丸となって進める大プロジェクトなんですよね。今回のイベントでは、特にどの分野に注力したのでしょう?
Yさん:最も注力したのはインバウンド需要への対応です。過去のアンケートでは、海外の方から「参加したいけどコロナ禍で行けない」「海外でもチケットを販売して欲しい」という声が多数寄せられていました。そこで、今年は旅行代理店とタッグを組んでインバウンドツアーを実施し、また通常チケットも海外向けに割り当てて販売しました。
前回は実施していなかったのでこの部分は大きな違いですね。
そのため、イベントのウェブサイトはもちろん、会場の看板や案内など、海外からのお客様が見る可能性のあるものはすべて翻訳対応を行いました。ただ翻訳するだけではなく、タレントさんにまつわる固有名詞や表現が難しい言葉などは海外の方にもちゃんと伝わるよう細かく確認しながら慎重に進めました。
―Kさんはhololive SUPER EXPO 2024でどんな業務を担当されたのでしょうか? 大変だったことはありましたか?
Kさん:進行管理という立場でチームのみなさんの進捗管理を担当しました。また、EXPOの4エリアのうち「エンタメエリア」と呼ばれる「ステージ」と「協賛社のエリア」を担当し、協賛社の方の管理とステージコンテンツの管理も担いました。
私の場合、入社して数カ月経ったタイミングでhololive SUPER EXPO 2024の準備に携わることになったので、まず社内の他チームとの信頼関係を構築することからスタートしました。様々なチームが関わっているため、関係構築には悩むこともありました。ですが、皆さんが協力的だったこともあり、比較的早い段階でスムーズな進行に切り替えることができたかと思います。
―hololive SUPER EXPOの準備にはどれくらい時間をかけるのでしょう?
Kさん:約1年ですね。
Yさん:イベント企画チームにとっては、イベントが終わった時が次のスタートなんです。
―1年も! まだ先の1年後のトレンドを踏まえてイベントを設計するのはとても難しそうですね。
Yさん:それは常に気を遣う点です。どのイベントでも同じことが言えるのですが、今回盛り上がったからと言って次回同じ結果になるとは限らないので、「どういうふうに楽しんでいただこうか」は常日頃から模索しています。
変化するトレンドに関しては各プロジェクトを走らせている運営企画本部や、企画職に就いている方と連携しながら考えています。あと、情報を集める意味でも普段からいろいろなストリーマーの方の配信を見るようにはしていますね。
■ タレントさんの頑張り、そしてファンの熱い思いが仕事のやりがい
―hololive SUPER EXPO 2024の反響はいかがでしたか。また、このイベントを実行して嬉しかったことや、やりがいについても教えてください。
Kさん:私はステージを担当していたのですが、常に緊張感があり、初日のオープニングはほとんど記憶がないくらいです。
ステージで特に印象に残っているのは、2日目の「Closing Ceremony」です。その中で来年度の告知をするコーナーにて「holo Indie」の告知があったのですが、告知映像の音楽に合わせて会場内のお客様が手拍子をしていたんです。
その時の会場の一体感にすごく感動しました。
「こんなにもたくさんの人に愛されているコンテンツなんだな」と。本当にいい経験でした。
―イベントだと突発的なトラブルもあるかと思いますが、何かありました?
Kさん:詳しくは言えないのですが、素材の1つが予定の時間になっても納品されていなかったときはハラハラしましたね。でも、その不安さを感じながらも「今、イベントやっているんだなぁ」としみじみ実感しました。予期せぬハプニングもイベントの醍醐味なので。
―Yさんはいかがでしょう?
Yさん:前職でイベントを一緒にやっていた仲間に会ってhololive SUPER EXPOのことを話すと「あんな大きいイベントを担当しているのか、すごい」と言われるんです。そういう率直な感想を社外の人に言われると、やっぱり嬉しくなりますね。
また、イベント当日のオープン前などたくさんの方にお待ちいただけている場面を見ると、こちらの胸も熱くなります。「ファンに支えられ、愛されているんだな」と実感しますし、またそんなファンの思いを引き出しているすべてのタレントさんには本当に感謝ですね。
タレントさん自身がファンの方に楽しんでもらえるよう日々試行錯誤しながら配信活動されているからこそ、ファンの方にこういったリアルイベントに参加いただけるのであって、タレントさんの頑張りとファンの方に支えられている仕事だと思います。
■ イベントのクオリティを担保し、いずれは海外チームとも連携
―チームが抱える課題や、個々人で業務を進めるうえでの難しさ、課題についても伺いたいのですが、何か実感されていることはありますか。
Kさん:イラスト制作の調整は難しいなと感じました。会社として必要な調整をしつつ、クリエイターさんの良さや個性をなくさないようにすることは常に気を付けています。相手を尊重する気持ちを持って社内外問わず接することが大切だなと業務を通じて改めて実感しています。
Yさん:今回のhololive SUPER EXPO 2024ではインバウンド需要に応えていく取り組みを進めました。一方で、海外イベントは海外担当のチームが主体となって動いており、そちらも盛り上がっています。海外チームとも雑談ベースで話すのですが、将来的にはお互いの知見を融合し、新しいスキームで海外・国内イベントを企画制作していきたいと考えています。
また、チームとしての課題を挙げるとすると、どうしても各担当者で経験や知識に差があるため、その差を感じさせずいかにクオリティを一定に保てるかが課題です。
そこに加え、部署を横断したプロジェクトも増えてきた中で同じようなイベントでも関わる人によって内容が大きく変わったりもするので、進行を安定させることも課題と感じています。
―Kさんはhololive SUPER EXPO 2024で進行管理を担当されましたが、その点はいかがですか?
Kさん:イベント制作会社等で制作担当の実務経験がある方であれば大きなギャップはないかと思います。タレントさんへの確認などフローは少し増えますが、そこはクライアント企業への確認に近い感覚ではないでしょうか。
スケジュールを計画し、その通りに実行することへの意識が強い方であれば問題なく対応できるかと思います。
■ 「安定運用」から「お客様の満足度向上」へ、新たな挑戦は続く
―今後挑戦したいことを教えてください。
Kさん:今年のEXPOでの経験を他のイベントでも活かせればと思います。特にEXPOのステージでは「安定運用」を目標としていましたが、他のイベントでは「安定運用」+「お客様満足度の向上」を目標にできればと考えています。EXPOはとにかく「お客様が安心して楽しめる状況にする」ことに注力していました。今後のその他イベントではさらに「楽しさ」や「コンテンツの面白さ」を追求したいですね。
Yさん:いろいろ考えていることがあるのですが、なかでも「いかに多くのファンの方に参加いただくか」に焦点を当てたいと思っています。それはキャパの問題もありますし、参加したくてもできない方に対してどのようにアプローチするかという問題もあります。会場の規模拡大や会場数の増加、配信を使った様々な取り組みなど、これまで実施してきたことに縛られるのではなく、アップデートしながらファンの方の期待に応えられるよう頑張りたいです。
これからもたくさんのイベントを仕掛けていく予定ですが、過去実施したイベントや他イベントと比べた時に「ここが良かった」と前向きな言葉がいただけるようにしたいですね。
あとは海外展開の土台も着実に進みつつあるので、より新しい、大きなことに挑戦していきたいです。
―ありがとうございました。