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「ビジュアルメンテナンス」って? クリエイティブ制作チームに聞いてみた!

いつもnoteを読んでくださっているみなさん、こんにちは!
カバー株式会社 人事部 兼 採用広報担当の桑江(くわえ)です。

2023年6月24日(土)に、白上フブキさんの新しいLive2Dビジュアルがお披露目配信されました。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

「超絶かわいい!」「表情が豊かになった!」など、たくさんの好意的なコメントが寄せられているのを目にしました。

実は今回のお披露目配信は、タレントさんのイメージを統一・保護・管理するため、カバー株式会社が進めている「ビジュアルメンテナンス」という取り組みの一環です

その中心的な役割を果たしたのが、カバー株式会社のクリエイティブ制作本部。今回はビジュアルメンテナンスの話を中心に、タレントさんの活動を支える制作の裏側について伺いました。

お話を伺ったのは、クリエイティブ制作本部のなかで制作推進部に所属するTさん、同じくCG制作部 3Dチームのマネージャーを務めるSさん、2DチームマネージャーのHさんです。この記事を通して、タレントさんのクオリティとイメージ統一に責任を持つ、クリエイティブ制作本部のお仕事に関心を持っていただければ嬉しいです。

【ビジュアルメンテナンスチーム/インタビュイー紹介】
Tさん:クリエイティブ制作本部 制作推進部 プロジェクト管理チーム マネージャー
Sさん:クリエイティブ制作本部 CG制作部 3Dチーム マネージャー
Hさん:クリエイティブ制作本部 CG制作部 2Dチーム マネージャー

■クリエイティブ制作部の毎日の業務とは。


——本日はありがとうございます! 早速ですが、みなさんの自己紹介と担当している業務を教えてください。

Tさん:クリエイティブ制作本部 制作推進部のプロジェクト管理チームでマネージャーをしています。制作推進部とは、制作プロジェクトのマネジメント業務や進行管理を担うチームで、ディレクター的な役割も担いながらマネジメントを行っています。

Sさん:クリエイティブ制作本部のCG制作部で3Dのキャラクターや背景を作る制作チームでマネージャーを務めています。背景・キャラクターも全部含めてスタッフのみなさんが働きやすいようなチームマネジメントを進め、制作の段取りを付けたり進行を見てデータをチェックしたり、自分でも手を動かして物を作ったりしています。

Hさん:同じくクリエイティブ制作本部2Dチームでマネージャーをしています。Live2Dに関わる制作の監修や進行管理のほか、チーム全体のマネジメントを行っています。

——普段の現場ではどのように仕事を進めているのでしょう?

Tさん:私は制作全体のスケジュールについて管理する立場なので、Slackやメールなどで担当している制作物の進行状況をチェックすることから業務がスタートします。何か支障が出ている場合にはフォローや調整を行いつつ、現場の皆さんからの相談に乗ったりしていますね。

また並行して進行に必要となる打ち合わせを関係部署と行っています。普段留意していることは、制作現場のみなさんの状況や意見の違いを吸収しつつ、ベストな落とし所に着地できるように調整・折衝を進めること。制作は多くの方々が関わるので、何か1つ決めるにしても全員が満場一致でイエスとなることはあまり多くありません。制作推進部はそのハブになる立ち位置なので、みなさんにとって最適な方向に進めるように調整しています。

——3Dチーム、2Dチームの1日の業務の流れも教えてください。

Sさん:3Dチームは、まず配信企画の会議に出ることから始まります。「こんな配信をやりたい」という企画があるので、まずはその会議に出席し、企画のディレクターさんやエンジニアさんと話して制作物の内容を詰めていきます。

それを受け、私から各スタッフに作るべき制作物を振り分け、進行管理を行い、出来上がった制作物をチェックして実装、確認を進めます。並行していくつもプロジェクトが動いているので、「出来上がった制作物をチェックして動かしてみる」作業で1日かかってしまうこともあったりします。

Hさん:私も同じです。チームマネージャーとして、各スタッフのタスクの状況を把握し、スケジューリングやマネジメントを行うほか、プロジェクトの進行管理や制作物の管理を日々行っています。

——参考までに、普段の仕事で大変と感じることはありますか?

Sさん:うーん、制作案件数が非常に多いことですかね。タレントさんの数は現在約70名ほどですが、それぞれに誕生日や、記念日があるので、それに合わせて制作を進めなければなりません。同じ印象を与えないように、ライブステージのデザインや演出、見せ方を毎回変えていますし、キャラクターも細かくアップデートを重ねて既視感を与えないようにしています。

Hさん:これはどのチームも同じく思うことかもしれませんが、やはり膨大な制作回数をどう回していくかが一番の課題ですね。年間1着の新衣装のほか、周年や誕生日、特別企画を合わせると、1人に対して年間3〜4個作る必要がありますから。大変な部分、で言うと個人的にはそれぐらいですね。

——前回インタビューした際も、制作案件数が多いのはかなり印象的でしたね。


■なぜビジュアルメンテナンスを実施したのか


——いよいよビジュアルメンテナンスについて伺っていきます。まず、そもそもの話で恐縮ですが、ビジュアルメンテナンスとは一体何なのか教えてください!

Sさん:“メンテナンス”とある通り、要件に基づいてタレントさんのビジュアルを維持・管理する取り組みです。どういうことかというと、たとえば複数のタレントさんが並んでいる時、タレントさんによってはテクスチャーの解像度が少し足りないため髪や肌が粗く見えてしまうことがあります。

また、頭身のバランスがそろっていないなど、統一性にやや欠けるところがいくつかありました。ビジュアルメンテナンスはこうした差異を均(なら)し、よりクオリティを高めるという目的で実施したものです。

Hさん:以前に比べて寄りの画角が増えたり、演出方法が変化したり、という理由もあってキャラモデルのテクスチャーや密度の違いが目立つようになりました。所属タレントさんの人数も増えているので、時間経過と共に起こるビジュアルのズレを統一してクオリティを管理していくことが必要になってたことも大きな理由です。

Sさん:そうですね。さらに補足すると、2つの理由から、タレントさんのイメージ像をより統一させたいという思いが強かったんです。

1つは、タレントさんの衣装やアイテムを制作する時、使うモデルが統一されていないケースがあったこと。微々たる違いかもしれませんが、衣装によってビジュアルがやや異なっていることがありました。

もう1つは、デザイン技術やイラストの進化によって、初登場時と現在ではややイメージが異なって見えてしまうことです。そこで今回改めてイメージを刷新・統一し、応援しているタレントさんのイメージにばらつきがないよう、管理していきたかったんです。

——とても重要な取り組みなんですね。

Sさん:はい。それにビジュアルメンテナンスを行うことで、今後の制作において品質向上やスピードアップも期待できます。新衣装やアイテム作りに使うモデルが統一されたことで、すでに制作した衣装をもう一度使用することができたり、制作現場側のコスト面も抑えることができるようになりました。

■タレントさんのセルフイメージや、ファンのみなさんの期待、イラストの作風すべてを調和させる。


——全体のスケジュールや具体的なメンテナンス作業の内容はどのように決めていったのでしょう?

Tさん:タレントさん自身が目指す方向性やイメージもありますし、その一方で長く寄り添ってきたファンのみなさんのイメージもあります。そうした方々のご要望をできるだけリサーチし、その結果をタレントさんやイラストレーターさんにしっかりお伝えして、合意を取りながら進めていきました。

Sさん:3Dチームでも並行して、どんな調整が必要なのか、どれくらいの要件があるのかを洗い出していきました。
もちろんすでに動いている、他のプロジェクトもあるので、全体に折り合いを付けながら、Tさんと相談しつつ、逆算してスケジュールと作業内容を詰めていった形です。

Hさん:2Dチームも同じです。Tさんら制作推進部の方や、各タレントさんの方向性を確認した上で、スケジューリングを進めていきました。今回の白上フブキさんの場合、衣装数が多いので、標準となるモデルが変わるとなると衣装も合わせて作り直さなくてはなりません。
「この衣装はいつ使うか」という先々の予定を確認後、Live2Dモデラーやアートディレクターと協力して製作に当たりました。

——ビジュアルメンテナンスを進めるうえで、現場で苦労したことや工夫したことを教えてください!

Hさん:2Dではイラストからモデルを組みますが、イラストは正面のビジュアルなので、横顔や下からの顔などを作っていく必要があります。その時、イラストレーターさんの作風や原画のイメージを壊さずに作っていく点が、Live2Dアーティストの腕の見せ所になります。横顔だけでなく、表情や動きのイメージについても合意を取りながら進めるので、そこは気を遣いましたね。

■今後もより高品質で良質なコンテンツを届けるために


——今後のクリエイティブ制作部の方向性や、みなさんがやりたいことについても教えてください。

Tさん:クリエイティブ制作本部の大きな方針の一つに「制作現場のマネジメント機能をより強化しよう」という目標があります。進行管理や制作管理というと、決めたスケジュールを追いかけているだけと思われがちですが、推進部ではそうではなくて先々の全体スケジュールを可視化し、問題点や懸念点があれば先回りしてマネジメントしていこうとしています。

そうすることができれば、ギリギリになりがちなスケジュールも改善できますし、品質もより上がっていくはずです。そのためにも人を増やし、安定した制作ができるように動きを強化していきたいと考えています。

Sさん:私は内部でコンテンツを作る力をもっと強くしたいと思っています。社内にはエンジニアさんもいますし、強いスタジオもある。これからも制作現場で活躍してくれる方を一層増やし、これからも良いコンテンツをたくさん作っていきたいですね!

Hさん:今後やりたいことは2つあります。1つは、Live2Dモデルを幅広い分野に提供していくことです。Live2Dのモデルは生配信や生放送での使用がメインですが、たとえばPCで使うライブ壁紙に応用したり、メタバース空間で活用したり、他分野で応用できるポイントはいくらでもあるかと思っています。そこで2Dチームの力を発揮できたら嬉しいですね。

もう1つはクオリティのさらなる向上ですね。今回のビジュアルメンテナンスもそうですが、2Dチームは今後もクオリティを追求し、より良い制作を続けていくつもりです。

——今後がさらに楽しみですね!。本日はありがとうございました!

今回は「ビジュアルメンテナンス」について伺いましたが、いかがでしたでしょうか?
タレントさんの活動を支えるクリエイティブ制作本部の方々のお話でした!

また、クリエイティブ制作本部では中途採用も行っています。興味をお持ちいただけましたら、以下からのご応募、お待ちしております!


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