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タレントさんの「やりたいこと」を実現するために! タレント配信チームが行っていること。

いつもnoteを読んで下さっているみなさん、こんにちは!
カバー株式会社 人事部 兼 採用広報担当の桑江(くわえ)です。

ここ最近、とてつもなく暑い日が続いておりますが、みなさん体調などにお変わりありませんでしょうか。カバーのオフィスがある東京都港区でも、30°Cを超える日が続いており、カバー社員のみんなが、これからの暑さに耐えられるかどうか、とても心配な今日この頃です…!

さて今回は、クリエイティブ制作本部の配信企画部という部署に焦点をあて、所属しているチームの方にインタビューをしてきました!
カバー株式会社の配信企画部には「公式配信チーム」「タレント配信チーム」「配信素材制作チーム」と3つのチームが存在します。

以前公開した記事では、配信素材などの制作を担当する「配信素材制作チーム」についてのインタビューを投稿いたしましたが、

今回は、配信・収録業務により近い領域で業務を担当している、「タレント配信チーム」のTさんMさんに話を聞きました。今までの番組の裏話や、制作秘話なども語っておりますので、ぜひ最後までご覧ください!

【インタビュイー紹介:クリエイティブ制作本部 】
Tさん:配信企画部 チーフディレクター
Mさん:配信企画部 タレント配信チーム チームリード



■「タレント配信チーム」の日々の業務について。

──インタビューのお時間いただきありがとうございます!早速ですが、それぞれの自己紹介をお願いします!

Tさん:私は、クリエイティブ制作本部の配信企画部に所属しております。所属しているチームはないため、部全体を担当、といった位置付けですね。配信企画部の統括業務と言えばわかりやすいかもしれません。役職としては、「配信企画ディレクター」のトップではあるものの、評価などは別のものが対応しています。
ホロライブカウントダウン・ホロライブサマーなどの大型ライブにおける演出ディレクションを行っていたり、依頼された案件の業務配分やリソースの管理、問題が発生した場合など対応を行っています。

Mさん:自分もクリエイティブ制作本部の配信企画部所属なのですが、タレント配信チームでチームリードを担当しています。基本的にはタレントさんの記念日配信などで、ディレクター業務をしていたり、企画や演出などを技術チームと相談していたりしていますが、業務範囲がかなり幅広いので、一つに絞るのがやや難しいですね(笑)

日々の業務を振り返ると、社内外問わず相談や調整をしていることが多いかもしれません。

──当然ですが、お二人とも業務内容は違いますね。

Tさん:そうですね、Mさんはどちらかというと現場の最前線で動いてくれています。自分の方は、「公式配信チーム」も合わせて担当しているので、大規模な配信を主に担当しています。ただスタジオを使用する配信については、全て管理はしてますね。

──なるほど。配信企画部は「スタジオを使用した配信業務」を扱う部署なんでしょうか?

Tさん:例外はもちろんあるんですが、基本的にそうですね。タレントさんがスタジオを利用して配信するコンテンツに関しては、タレント配信チームが担当していると思ってもらえるとわかりやすいかと!そのため、記念日配信に関わることが多いですかね。

──ちなみに、社内には「配信技術部」という別部署もありますよね。

Tさん:そうですね、もともと同じ組織だったのですが、ざっくりいうと技術側と配信企画側に分かれた形です。技術側は技術面でサポートし、配信側はよりタレントさんに寄り添って企画のサポートをする運用になりました。それぞれが専門分野に特化できるので、以前より効率的に運用できるようになったかなと思います。

──現場で動いているMさんにお聞きしたいのですが、1日の決まった流れ(定型業務)ってあるんですか?

Mさん:正直ないですね(笑)。
配信スケジュールによって、毎日の業務内容は違ってくるので…!
収録に一日を費やすこともありますし、編集だけをしていることもあります。かと思えば、タレントさんとのミーティングだけの一日や、生放送の立ち会いだけの日もありますし。
先日のnoteにもステージに関する話題があったかもしれませんが、ギミックや演出をチェックしている日もあったりと、本当にいろんな種類の業務がありますね。

──なるほど!先日の3Dチームインタビューで登場した、「企画ディレクター」がTさんやMさんだったんですね!

Mさん:その通りです。

Tさん:なので担当業務としては、収録の立ち会いや映像をチェックするだけではないんですよ。タレントさんの「やりたいこと」をヒアリングしたあと、叶えられるように社内であらゆる調整をするのが僕らの業務になります。

もちろんその「やりたいこと」によっては、スタジオアプリの実装チームにしっかり伝える必要があったり、3Dステージ制作担当している背景デザイナーに話を通す必要があったりと、さまざまですね。

■さまざまなアプローチの中で、最適なものを選ぶ。

──聞けば聞くほど業務の範囲がかなり広いですね。

Tさん:VTuber業界、特にカバーはちょっと特殊かもしれないですね。テレビ業界であればプロデューサーの方がいらっしゃるのかもしれないのですが、ホロライブプロダクションの場合は、その役割をタレントさんが担っています。さらに演者としても、タレントさんがいらっしゃるので、めずらしいかもしれないですね。

我々ディレクターとしては、「やりたいこと」を実現するために、何をしてあげられるのか。どう社内で調整すれば、実現ができるのか。という所まで持っていく事が、大事だと思っています。

Mさん:例えばなんですけど、エンジニアリングの知識やスタジオ技術の知識って、普通はあまり持ってないじゃないですか。
配信内で実現したい演出1つとっても、3Dチームが担当した方がいいのか、技術チームが担当した方がいいのか、映像編集でOKなのか、と複数のパターンが出てきます。
その多くのパターンの中から、コストや演出の見た目などを複合的に考えて、最適な方法で進めていくのがディレクターの仕事です。

──そうすると、かなり技術的な知識も必要ですね。

Tさん:これから応募を考えている方のために言っておくと、初めから全て完璧に持っていなくても全然問題はないです!
ただ入社して1年から2年くらいで、3Dの知識、Unityの知識、モーションキャプチャの知識、機材の知識など、幅広い専門知識が必要になってくる職種だな、と思いますね。

──さまざまなジャンルの要望があるかと思いますが、どのように形にしてるのですか?

Tさん:まず、タレントさんから「こういうことがしたいです」というヒアリングをします。その後、技術チームの方と相談して、その要望を実現するための方法を検討します。そして、タレントさんとのミーティングで、タレントさんと話した時のイメージと近いかどうかを確認しながら、エンジニアさんとの間に立って調整を行う流れです。

Mさん:ただ正直方法もさまざまです。イメージが固まっているものから、ざっくりしたものまであるので、その都度変化に対応してる状況ですね。

例えば「今回の配信では幻想的なイメージを出したい!」「アイドルっぽくしたい!」という要望があった場合、どの部分でアイドルらしさを演出するのか、幻想的な雰囲気はどう表現するのかについてまず検討します。

併せて、配信をみてくれているファンのかたに伝えたい想いもあるので、それに合った具体的なアイディアや、タレントさんにフィットするものを選定します。提示した演出案に対して、タレントさんが共感したものがあれば、それを元にさらに具体化していく流れです。

─新しい業界だからこそかもしれませんが、多くの職種が合わさったような印象を受けます。

Mさん:プロジェクトマネジメントのようなことまでは行わないのですが、制作の進行状況などはもちろん確認してますし、うちの部署からライブ配信の際に背景で流れる映像を、外部に発注することだってあります。

歌詞に合わせて「ここで花火を出してね」といった演出を考えたり、「この曲はかっこよく決めたいので、シックな映像にしてほしい」といった要望を出したり、「この曲は新曲で、初めて聴く人もいるので、歌詞がしっかり見えるように映像を作ってほしい」といった細かな演出だったりと、いろんなことをやってますね。

Tさん:確かに複合的な仕事かもしれないですね。

■配信ディレクターとしてのやりがい

ホロライブカウントダウン

──今まさに、現場の最前線で動いているMさんにお聞きしたいのですが、やりがいってどんなところでしょうか?

Mさん:入社してから今までで、だいぶ変わりましたけど、もともとテレビ業界にいた自分にとっては、YouTubeの配信でリアルタイムでリスナーや視聴者からコメントが見えるところがすごく良かったですね!
タレントさんと一緒に考えた演出も、たくさん反応があったりして、いつも楽しんで見ています。タレントさんに感謝されることも含めて、やりがいの一つでしたね。

今のやりがいは…そうですね。新しい演出や表現を試してみた時に、視聴者のかたが気づいてくれることがあるんです。
いつもとはちょっと違うところに気づかれると、新しい道を切り開いている感じがして、本当にうれしいです。今はそういうことがやりがいになっています。

──気づいてもらえるのは嬉しいですよね。直近でそう言った経験はありましたか?

Mさん:角巻わためさんの配信ですね。去年末に野外フェスのようなライブ配信をしたいという要望がありました。通常の配信ですと、カメラは基本的に角巻わためさんの顔の前に置かれることが多く、ステージの景色を映すことは少なかったりします。

ただ野外フェスの映像となると、ステージの横から撮影したり、遠くから望遠レンズで撮影したり、ドローンやクレーンで撮影している映像も多いと思います。

そういった撮影方法を再現することで、フェスの雰囲気を伝えようとしていました。技術スタッフと相談しながら進めていたところに、見ている方の喜びのコメントも多かったので、嬉しかったですね。

Tさん:配信全体を通して、タレントさん目線でファンのみなさんに何を伝えたいか、はかなり重視していますね。ライブ配信でも、序盤、中盤、終盤で、いろんなフックを仕掛けて、みている人の感情を揺さぶるようなセットリストを構成していたり。それに応じて、最初は明るく、中盤はしっとり、最後は感動的な盛り上がりになる演出やギミックを入れよう!とか。
ここはちょっとエモっぽくしようよ!とか。(笑)

──「やりたいこと」の実現のために、そこまで考えてるんですね。

Tさん:いかにその「やりたいこと」が社内でブレずに実装されるか、が肝かなと思ってますね。そのためにも、タレントさんの「やりたいこと」をディレクターが120%で解釈して、社内のいろんな人にお渡ししてます。

Mさん:ほんとそうですよね。イメージを噛み砕きながら、抽象的なものから具体的なものにしていく。僕らは100%、120%の解釈をしつつ、社内で完成するまでブレずにやりきるってことが大事なんだと思います。

──ほんとうに細部にまでこだわって面白いです。他に印象的だった配信はありますか?

Tさん:自分は星街すいせいさんの5周年LIVEでの、衣装チェンジの演出ですね!
ドアが通りすぎたあと衣装が変わっているというアイディアが、リハーサルの時に出てきてしまって…!
できる?と聞いたら、カメラ担当から苦い顔で、「ギリギリですが、やってみます…」と言われてしまったのを覚えています(笑)。

星街すいせい5周年LIVE

Mさん:自分はholoX(ホロックス)、サマータイムレコードの配信です!
最大限のエモをお届けしようと思い、背景から演出映像と同じポーズで、5人が登場するような演出に力を入れました!

holoX(ホロックス):サマータイムレコード

■前職までの経験と、VTuber業界特有のギャップ

─みなさんなんでも器用にこなしている印象を受けるのですが、カバーに入社する前はどんなことをしていたんですか?

Tさん:それでいうと、自分の経歴はあまり参考にならないかもしれませんね。番組制作に関するお仕事を経験していましたが、学生時代からVTuberの現場に入っていたので。

Mさん:自分はもともと、15秒から30秒ほどの関西ローカルCMの制作に携わっていました。ADから始まり、ディレクターという流れですね。その後、テレビのバラエティ番組や旅番組、芸人さんやモデルさんのYouTube企画など、幅広く関わっていたのですが、基本的には実写の制作がメインでしたね。

──そうなんですね!違う業界からきた際のギャップはありましたか?

Mさん:もちろんありました。
特にギャップが大きかった部分で言うと、準備が大変なことですかね。実写なら、サッとカメラを回すだけで撮影できる映像も、VTuberの撮影になるとそうはいきません。エンジニアさんはもちろんですし、アプリ担当、モーションキャプチャー担当、3Dモデラーの方の協力が必要になります。それにスタジオを使用しているのでスイッチャーさんも加わっていきます…!
というように、撮影までのセットアップに多くの時間や人が必要な部分が大きなギャップでした。

──当然ですけど、大変さが全然違いますね。

Mさん:もちろん実写には実写ならではの大変さがあると思います。
ただ、実写ならカメラを回すだけで5分で済む映像でも、バーチャルな映像だと一時間半かかることもあります。ロケをすることもありますが、基本的にはスタジオ撮影がメインなので、色々と制約も多いですから。

──ちなみに同じチームにいる、他の方の経験業界はどのようなものなのでしょうか。

Tさん:実はタレント配信チームには、ディレクターが6名いるんですが、そのうち4名はテレビ業界出身なんです。公式配信チームのディレクターも、基本的にテレビのバラエティー番組を手がけた人たちが多くて、全員がテレビ業界出身者ですね!
カバーに入って活躍しているディレクターは、たいていテレビのバラエティ番組を手がけた人たちが多いかもしれないです。

──そうなんですね!何か共通したスキルがあるんでしょうか。

Mさん:やっぱりコミュニケーション能力なんじゃないかなぁと思います。テレビバラエティスタッフだけではないと思いますが、当然タレントさんに説明する場合は、失礼のないように注意しますし、わかりやすく説明するためにはどうしたらいいかを考えることも多かったのが理由ですかね。自分のコミュニケーション能力もそれで培ったので!

ただその中でも、自分がやりたいことや演出があったりするので、その交渉やせめぎ合いも楽しんでいたりしてて(笑)難しいコミュニケーションだと思うんですけど、テレビ業界の人が活躍する理由ってそこだと思います。

■「タレント配信チーム」が求める人物像

──今後も「タレント配信チーム」の人員は増えていくと思うのですが、どんな人にマッチしていると思いますか?

Tさん:やっぱり今言ったように、コミュニケーション力があるひとですよね。こちらから新しい演出を提案することもありますが、第一にタレントさんが「やりたいこと」をかなえるのが大切なので。その中で、様々な表現を試せる場があることに、喜びを感じてほしいと思っています。

Mさん:アーティストのような自己表現ができる場所って訳ではないんですよね。

──他に大事なスキルってありますか?
Tさん:新しく何かを覚えることに抵抗がない人じゃないと、厳しいと思います。例えば、Unityや3Dモデル、モーションキャプチャーなどの関連知識は、新しい表現に挑戦する時に、絶対に必要な部分になってきます。そういう知識の習得に抵抗がない人じゃないと難しいのかなと思いますね。

Mさん:自分も初めの頃は、VTuber周りの知識が全くなかったので、現場で吸収しまくりました!当時ひたすら現場でみんなに聞いて回ったことが懐かしいです。

──事前の「知識」もそうですが、事前の「準備」が必要な業務も多そうですよね。
Tさん:もしかしたら、その場でうまく対処しようとする人には向いてないかもしれませんね。その場で何とかしようとする人ではなく、先を見据えて様々な計画を立てながら行動できる人が向いていると思います。
社内でも連携が必要ですし、社外の人たちも関わってくる場合は、それも含めて計画を立てる必要がありますから。神経質なくらい準備ができる人の方が向いてるのかも?

Mさん:確かに、いろんなパターンを想定して、最高と最悪どちらにも対応できる人の方が向いてるかもしれないですね。

──業界が違っても活躍できるのは、いいことですよね。

Tさん:そうですね。VTuberの業界ってめちゃくちゃ自由度はあるので、あらゆる業界の要素を取り入れる余地がある。ほんとうに懐の深い業界だと思います。
逆にVTuberとしてどうすればいいかというのは、タレントさん自身やカバー株式会社が一番わかっている部分ですし、むしろ他の業界で働いていた人から新しい風を取り込みたい気持ちも大きくなってきてますね。

■「タレント配信チーム」が目指す先。

──今現在も、さまざまな配信に携わっているかと思うのですが、今後チームとして目指しているところはありますか?

Mさん:チームと言うより、僕としてもなんですが、もっともっと挑戦的なことをやっていきたくて。タレントさんの「やりたいこと」を叶えつつも、VTuber業界ならではの、新しいアイデアをどんどん世の中に発信していきたいです。他の企業さんが真似をするような、「リファレンス」になるような成果をたくさん出していけたらと思います。

Tさん:短期、あるいは中期的な話で言うと、タレントさんがやりたいことだけじゃなくて、ディレクターとしても新しいことに挑戦してみるとか、そういった余裕が生まれてくると、チームとしてはいいなと思ってて。

Mさんが言ってくれたように、「VTuber業界ならでは」に挑戦しながら、タレントさんの頭の中を超えるような、面白いものを一緒につくっていきたいですね。今現在は、タレントさんがやりたいことを実現するために精一杯になっている部分もあると思いますが、タレントさんの想像を超えて、より良いものを提案できるようなことになれば、チームとしてこれ以上ないんじゃないかなと。

長期的なことで言うと、メタバースやVRなど、より現実にとらわれないようなライブや演出ができるようになった場合も、変化に対応できるようなチームにしていきたいと考えていたりします。

──本日はありがとうございました!

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